一万二千石の城下町だった江戸時代の面影を残す、信州須坂。 いちばんの名所は春、湖畔一面が、八百本の桜に染まる臥竜公園です。 「日本の桜の名所百選」にも選ばれているほど。 そこから、ほんの二、三分のところに遠藤酒造場の臥竜蔵はあります。
創業元治元年(1864年)、須坂藩御用達の酒蔵として創業し、以後、藩主への献上酒を納めてきました。以来、初代蔵元、遠藤徳三郎の強い信念でもあった「旨い酒造り」を代々受け継ぎ、常に進取の気性で挑戦を続けております。
美しい自然と新鮮な空気、そして何より清らかな水に恵まれたこの須坂の地。江戸時代の館町、近代製糸業の繁栄時代……、いつの時代も須坂の町とともにあり、この地を愛する遠藤酒造場は、皆様に美味しく召し上がっていただける酒造りに、これからも精魂を傾け続けてまいります。
酒造りは子育てに似ています。
懸命に愛情を注ぎ、ひたすら見守る……。そうして大切に育て上げたものを「いい味になったね」と認めていただいた瞬間に、これまでの努力がすべて実を結んだと、感慨無量の気持ちでいっぱいになります。
「渓流」、「朝しぼり」、「どむろく」、「直虎」、「彗」……。遠藤酒造場を代表する銘酒の数々は、伝統をしっかりと守りながら、新たな挑戦を取り入れ、常に「進化した旨さ」を追求してまいりました。それは、蔵人たちが心血を注ぎ、杜氏の熱意を込めた美酒として生み出され、国内はもちろん、最近では海外のお客様からも支持を集めております。
遠藤酒造場の信条は「酒は醸し出し、育てるもの」にあります。じっくり、そして確かに育て上げられた入魂の酒を、どうぞ心ゆくまでご堪能ください。
遠藤酒造場 六代目当主
- 遠藤秀三郎
創業元治元年(1864年)、須坂藩御用達の酒蔵として創業し、藩主への献上酒を納め始めました。以降、2代目から5代目に渡り、初代蔵元、遠藤徳三郎の意思「旨い酒造り」を受け継ぎ、醸し出し育てる酒を作り続けております。
主要銘柄「養老正宗」が黄綬褒章を過去に受賞したものの、1970年台に巻き起こった日本酒ブームに乗ることはできず、小さな酒蔵として必死に味を守り続けておりました。
1982年、6代目、遠藤秀三郎が21歳の若さで蔵元当主に就任。この時の従業員はわずか3人でした。
既存商品の改良に着手しながらも、1988年には主要銘柄のひとつである「渓流」を発売。その後も新たなブランドを続々と発表し、現在も人気の「朝しぼり」や「どむろく」さらには「直虎」「彗」を発売いたしました。
ラジオやテレビでの告知をきっかけに通販事業へ参入し、ネット販売を通して「渓流」の名が全国に知れ渡るようになりました。
1993年「長野県清酒品評会県知事賞」を受賞。この年を皮切りに様々な鑑評会や品評会に出品し、毎年高い評価を得ております。2004年には初めて国際的な品評会である「モンドセレクション」に出品し金賞を受賞。
2014年には創業150周年を迎えました。現在は国内はもちろん、海外でも支持を集めております。今後も「渓流」「直虎」「彗」などの遠藤酒造場ブランドを現地に根付かせることが目標です。
私たちはこれからも伝統と革新を融合した「旨い酒造り」を信条に、精進を重ねてまいります。
酒は人と菌とが造るものです。生き物である酒の成長に合わせて造り手も進化することで、年を追うごとに美味しさが積み重なっていきます。そのため、醸造技術とともに人間性を磨くことを意識しております。また、毎年酒米の出来や気候など環境が異なるため、酒造りには常に初心で取り組みます。数値的な部分以上に麹の面、味、モロミの状態を常に観察し、麹の息遣いを感じながら大切に育て上げます。とはいえ、酒は杜氏一人が造るわけではありません。蔵人はもちろん、酒造りに関わるすべての人たちで醸し出すものです。
和は良酒を醸し、良酒は和を醸す「和醸良酒」。
私たちが真心を込め、一丸となって造り上げた酒が、飲む人を笑顔にし、その笑顔が広がってさらに大きな幸せの和を形成していく──。そんな良酒を目指し、これからも精進してまいります。
- 遠藤酒造場 杜氏
- 髙野 伸
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- 1月
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- 大吟醸仕込み開始
- 「氷高熟成酒」熟成開始
(標高1536メートル地点の雪室で熟成させます)
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- 2月
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- ワイングラスでおいしい日本酒アワード 開催
- 「春吟」出荷開始
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- 3月
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- 長野県清酒品評会へ出品
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- 4月
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花もだんごも蔵開き
全国新酒鑑評会へ出品
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花もだんごも蔵開き
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- 5月
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全国新酒鑑評会 開催
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- 6月
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- iTQi(国際味覚&品質機構)開催
- モンドセレクション(国際食品コンクール)開催
- 蔵人皆造(蔵人がすべての作業を終えて帰ることです)
- 「夏吟」出荷開始
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- 7月
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- 初呑切(仕込みタンクごとに成分を分析する官能検査作業)
- 「つけ粕」出荷開始
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- 8月
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- 蔵洗い(蔵全体を一斉に清掃します)
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- 9月
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- 秋も須坂で蔵開き
- 「渓流ひやおろし」出荷開始
- 「秋吟」出荷開始
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- 10月
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- 蔵人入場/松尾祭(酒の神様である松尾様に今年も良いお酒ができるよう蔵人一同でお祓いをします)
- 新米入荷開始/関東信越国税局酒類鑑評会 開催
- 長野県清酒品評会 開催/「瓜の粕漬け」出荷開始
- 「遠藤」出荷開始
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- 11月
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- 「朝しぼり純米大吟醸」出荷開始
- 「冬吟」出荷開始
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- 12月
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- 「元旦朝しぼり」出荷開始
- 「ゆく年くる年」出荷開始
遠藤酒造場のお酒には、笑顔を広げて繋げていく、そんな不思議な力があります。それはきっと、蔵に関わるすべての人間が皆笑顔だから。根底にあるのは遠藤酒造場のお酒が大好きだという気持ち。その大好きな気持ちは人から人へと伝わり、「のむ人を、ほほえむ人へ」繋げていきます。
桜の名所である臥竜公園が一面ピンク色に染まる春、赤や黄色に木々が燃ゆる秋、毎回大好評の蔵開きが行われます。たくさんの人が遠藤酒造場の銘酒を囲んで楽しむ数日間。そこにはお客様の大輪の笑顔が花開き、笑顔の輪が広がっています。